2019.12.01

メディア展望

『メディア展望』12月号発行のお知らせ

編集長の一言二言

▽「メディア展望」12月号には、恒例となっている「メディアに関する全国世論調査」の結果を掲載しました。今回で12回目の世論調査ですが、これまで毎年2位にあった新聞の情報信頼度がトップとなりました。と言ってもずっとトップだったNHKが「N国党」の影響からかかなり低下したためで、新聞の信頼度が上がったためではありません。信頼度は良しとしても、購読率の落ち込みは特に全国紙で激しいものがあります。その中で県紙・地方紙の底堅さが目立ちますが、それとても新聞を購読する習慣のある高齢層のお陰と見られ、将来的にどうなるか、厳しいと見た方がよいでしょう。現時点で言えることは、信頼度が高いという点に道があるというところぐらいでしょうか。

▽大阪で初めて開催した弊会のシンポジウム「五輪と万博、東京・大阪の未来予想図」ですが、約120名の参加を得て、まずまず成功でした。事前に大手紙の大阪版などで紹介されたことも大きかったようです。参加者から集計したアンケート結果では、全般的に良かったという声が多数を占めました。ただ、メディアからの参加者からは「メディアに課せられた視点」に関して物足りなかったとの意見も出ており、今後に向けての改善点と捉えています。

▽時事OBの名越健郎氏に「安倍晋三と桂太郎、レガシーの研究」を書いてもらいました。桂を抜いて最長在任首相となった安倍氏ですが、時ならぬ「桜を見る会」をめぐる問題や閣僚辞任などで逆風にさらされています。期待された北方領土問題の解決はどうも「見果てぬ夢に終わろうとしている」ようです。レガシーを求めて独走する方が危険との見方です。(倉沢章夫(としお)