2023.11.07
デジタルアーカイブ
「同盟通信写真ニュース」1,875ページを追加公開
戦争報道・世相をたどる画像系資料、計1万点に
新聞通信調査会は2023年11月7日、同盟通信社(1936~45年、略称は「同盟」)が発行していた壁貼り新聞形式の写真ニュース「同盟通信写真ニュース」1,875ページを当調査会が運営するデジタルアーカイブに追加公開しました。当調査会による同盟通信写真ニュースの公開は2回目。前回、2019年10月の公開分と合わせて公開ページ数は3,151となりました。デジタルアーカイブでは22年8月にも、同盟の前身である新聞聯合社(略称は「聯合」)と同盟が1932-40年に配信した紙焼き写真の一部7,000枚超を「聯合・同盟配信写真」として公開。今回の同盟通信写真ニュースの追加により画像系資料の公開数は1万点を超え、当時の戦争報道や世相を豊富な画像で視覚的にたどることができます。デジタルアーカイブは当調査会のホームページで、いつでも、だれでも、どこからでも無料で検索、閲覧ができます。歴史、ジャーナリズムを研究し、興味をお持ちの研究者、学生、市民、報道機関関係者のみな様には、ぜひご活用くださるようお願いいたします。
同盟通信写真ニュースは1枚もしくは複数枚の時事写真に見出しと記事を配した掲示用の印刷媒体です。時代を映して日中戦争、太平洋戦争のほか欧州大戦の戦況を多く取り上げています。戦争遂行の国策に沿って戦意高揚を目的とする内容です。同盟が1944年に発行した非売品の冊子「同盟の使命と活動」には「毎日10万枚を発行し全国の学校、鉱山、農村、商店等に頒布掲示されて一般国民の時局認識に大きな役割を果たしている」と記述されています。一方で大相撲、野球、ボクシングなどのスポーツや地方の伝統的な祭りを題材としたものもあり、当時の世相や“銃後”の様子も知ることができます。
同盟通信写真ニュースは、聯合が発行していた「新聞聯合写真ニュース」を引き継いで36年に発行を開始。題字は「同盟通信写真ニュース」「同盟ニュース」「同盟写真特報」などと変遷し、発行は45年まで続きました。デジタルアーカイブで公開した最も古い号は37年12月11日発行の363号、最も新しい号は45年6月30日発行の2717号です。36年発行分について当調査会では収集できていません。
同盟通信写真ニュースは同盟自身が資料として残した形跡はなく、当調査会は長年、有志の方の寄贈や古書店などからの購入により同盟通信写真ニュースの収集を続けてきました。当調査会は今後も収集を続けますので、埋もれている同盟通信写真ニュース、同盟ニュース、同盟写真特報があれば、ぜひ当財団への寄贈をご検討ください。
このお知らせに関連する各ページは以下の通りです(クリックすると別タブが開きます)。
写真は、大本営によるシンガポール占領の発表を伝える紙面(1942年2月18日発行)。