2025.02.19
デジタルアーカイブ
「国際経済週報」「同盟世界週報」約900冊を公開
同盟通信社資料公開サイトで
新聞通信調査会は2月19日、大正時代に国際通信社が創刊し、聯合、同盟と発行を受け継いできた週刊経済誌「国際経済週報」と43年に改題した「同盟世界週報」のうち、所蔵する1928(昭和3)年1月発行の417号から45年10月発行の1316号まで計約900冊分をデジタルアーカイブ「同盟通信社資料公開サイト」で公開しました。
国際は16年、商業の中心地だった大阪に進出。国際経済週報は18年に海外相場情報の「外国経済通信」を契約した銀行、商社などの顧客に対するサービスとして無料で配ったのが始まりだそうです。判型はタブロイド半截(概ねA3サイズに相当)で8ページ。その後有料化され、ページ建ては最大で20ページに。1面トップにはやや長い概観的記事を配していますが、紙面の大半は1週間分の海外の経済関連記事や市況記事の抄録と海外相場の数値が占めていました。部数はなかなか伸びなかったため紙面改革にたびたび取り組み、34年には週刊誌大の四六倍版(概ねB5サイズ)とし、誌面も数十~百数十ページに増やしました。社内外の筆者による経済関係の論文や解説といった長文記事を多く掲載しましたが、その内容は時代を映して次第に戦時色を帯び、戦争遂行の論調へと傾いていきました。
これまで同盟通信社資料公開サイトで公開している記事資料は、同盟が発行した「同盟旬報」第1号(37年7月刊)が最も古かったのですが、抄録とはいえ記事を掲載している国際経済週報の公開で28年までさかのぼることになりました。
今回の公開では国際経済週報、同盟世界週報の各号を(1)417号~726号は全ページの画像を公開して各ページの検索も画像のダウンロードも可能(2)727号~1316号は、記事タイトルや筆者名が分かる目次を記載した各号の表紙のみの画像が検索でき、画像をダウンロード可能――としました。デジタルアーカイブへの公開を機に、国際経済週報、同盟世界週報の復刻版も全面的に作り直しました。同盟通信社資料公開サイトで(2)に該当する号で気になる論文名、著者名を見つけたら、通信社ライブラリーに来館して復刻本を閲覧してください。
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手前は同盟が発行した週刊誌大の国際経済週報(左)と同盟世界週報。背後の大判左ページは聯合が1929年11月9日に発行した国際経済週報511号の1面。トップ記事の見出しは「ニューヨーク株式大惨落」とあり、世界恐慌による市場の混乱を伝えている。