2023.10.01
メディア展望
『メディア展望』10 月号発行のお知らせ
編集長の一言二言(10月号)
■今月号のトップでは、時事通信の小林伸年解説委員に少子化問題の実情や課題について、解説していただきました。今後の焦点は岸田文雄首相が豪語する「異次元の少子化対策」の財源です。首相は増税に頼らず歳出を削減するとしていますが、医療保険など社会保険料の引き上げは避けられない状況です。増税論議を避けるために社会保険料に手を付けるのは、いかにも安直だというのはご指摘の通りで、今後の国会論戦が注目されます。
■日下部聡毎日新聞論説委員の情報公開制度の話は、大変興味深い内容です。制度が導入されて久しいですが、この制度を利用した調査報道が定着したのはつい最近のような気がします。ちょっとした思い付きや疑問が情報公開制度を利用して記事になった具体例が盛りだくさんで、現場の若い記者にぜひ読んでほしいと思います。
■ロシアによるウクライナ侵攻から1 年半が経過しましたが、戦線はこう着状態で長期化は必至の状況です。吉田成之元共同通信外信部長の記事は、プーチン大統領による言論統制の実態や、それにあらがって国外でプーチン政権の内幕や腐敗を暴こうとしている「亡命メディア」の苦悩も浮き彫りにしています。
( 一ノ瀬英喜)