2020.03.01

メディア展望

『メディア展望』3月号発行のお知らせ

編集長の一言二言(3月号)

中国・武漢から広がった新型コロナウイルスの感染が日本国内にも波及し拡大しています。2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の時はそれほどの切迫感はありませんでしたが、今回は全く違うようです。中国人旅行者が圧倒的に増えていることが大きい。「海外情報(中国)」欄では、西茹氏がこの感染拡大をめぐる中国のメディア状況を取り上げ、中国当局が市民への情報の公開よりも、インターネット上のデマの取り締まりを優先させてしまったと批判しています。

日本では、当局による水際での阻止も奏功せず結局は入り込まれてしまいました。病気にうつらないことが最優先ですが、影響は多方面に出てくるでしょう。4月の習近平氏の訪日はどうなるのか、さらに東京五輪・パラリンピックへの影響を云々する人さえいます。そして経済への影響は甚大でしょう。今月号の巻頭記事の筆者である石井正氏はその点を指摘しています。消費税増税で消費が冷え込み、昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は前期比1.6%の減少、このペースが1年間続くと仮定した年率換算では6.3%もの減少でした。既にこれだけのマイナスのところへ1~3月期には新型肺炎の影響が出てくるのですから、言わずもがなです。外国人旅行者は急減し、消費も一段と冷え込むでしょう。GDPのマイナス幅はさらに拡大するのではないでしょうか。さて問題は感染がどこでピークアウトして終息に向かうのか、その時期です。春なのか夏なのかそれによって影響の度合いも顕著に変わってくることでしょう。

なお、3月号の「調査会だより」にある「ボーン上田賞に朝日・村山記者」の記事中、3月28日(土)に受賞記念講演会を行うと記載しましたが、同日は中止とし、開催時期は未定となりました。(倉沢章夫としお