2024.07.01
メディア展望
『メディア展望』7月号発行のお知らせ
編集長の一言二言(7月号)
■今月号のトップページは、生成AIをテーマに行ったシンポジウムで基調講演していただいた小説家・平野啓一郎氏の講演録を掲載しました。とても興味深い講演で「なるほど」と思わせる内容が盛りだくさんの講演でした。
■国会では3 年ぶりに、岸田内閣としては初めてとなる党首討論が行われました。野党側は政治とカネの問題などをめぐる岸田文雄首相の対応を批判し、衆議院の解散や内閣総辞職を迫りましたが、首相は拒否し、通常国会会期末の総選挙は見送りとなりました。内閣支持率に加え、自民党支持率もじり貧状態で、次の総選挙では自民党の野党転落もささやかれる事態となっています。今月号には「四面楚歌」状態の岸田首相の今後の政局運営などについて、共同通信の内田恭司編集委員兼論説委員の講演録を掲載しました。
■通常国会で、NHK のインターネット配信業務を必須業務に位置付ける改正放送法が成立しました。NHK のネット進出には日本新聞協会や日本民間放送連盟(民放連)が、長年にわたり「民業圧迫」などと批判してきただけに、今回の法改正は放送の歴史にとって大きな転換点となりました。そこで7 月号から4 回続きでNHK のネット進出がもたらす功罪について、分析・検証する大橋一三・元NHK 理事の原稿を掲載します。
■ 7 月26日にいよいよ第33回パリオリンピック2024が開幕します。今回はブレイキンなど四つの追加競技を含む32競技329種目が実施される予定です。1984年のロサンゼルスオリンピックを契機に商業化が進みましたが、年々肥大化し、莫大な運営費が足かせとなりオリンピック自体が岐路に立たされているのも事実です。また、国際オリンピック委員会(IOC)の金権体質も従来から指摘されてきました。今月号にオリンピックの歴史を振り返り、その意義や問題点を浮き彫りにする佐野慎輔尚美学園大学教授の原稿を載せています。パリオリンピック開催を前にぜひ一読してほしい記事です。 (一ノ瀬英喜)